一般社団法人Mana まな保育園

園長コラム

2025年03月

「自主性、主体性を育てよう」

園長 内藤かず子

早いものでもう3月も半ばになろうとしています。年齢とともに年ごとに時間が早く過ぎていくように感じます。

私事ですが、ちょうど2年前の今頃は検診で子宮がんが見つかり、幸いにもステージは1-Aでしたが、癌の種類が癌の中でも3%ぐらいとされる悪玉に属するもので、できる治療は最大限に行うといった担当医の治療計画の中で行われたのが2年前です。長時間に及ぶ臓器摘出手術によって体力の低下や抗がん剤の副作用等に悩まされながら2年が経ちました。

私は、今年は後期高齢者の仲間入りです。自分でも信じられないくらいです(笑)。そして4月からは新たな法人の代表として、「のっぽ保育園」から「まな保育園」となって再スタートすることになりました。

私に与えられた残りの時間は、やはり子どもたちと過ごすことでしょうか? 年齢も年齢ですので不安もありますが一方ではそれも「また楽しからずや」の心境と同時に今はそれを与えられたことを感謝したい気持ちでもあります。

ひな祭りの集いで子どもたちは椅子に座ったり、ラグに座ったりといつものような集いの体制の中で行っていました。

職員は集いの様子をスマホで写真を撮っていました。それを見たS君(1歳児)が、椅子から離れて動き出しました。私はS君の動きを止めようとS君を抱っこしようとしたのですが私の手を振り払い、集いを行っている方は見向きもせず、おもちゃのカメラを取りに行ったのです。そしてカメラを手にしたS君は職員が写真を撮っている横で同じようなポーズでおもちゃのカメラで集いの写真を撮っていました。(かわいい!)

集いが終わってから私はS君に「いい写真が撮れましたか?」と聞くと彼はとても満足そうな顔をして「うん!」と大きな声で答えてくれました。

「自主性」とは「人から指示を受けて行動するのではなく、自ら率先して行動できる」ことです。保育園の子どもたちはまだ自ら率先して行動できるというより、指示(言われること)に何となく従っているといった状態です。それが自分にとって心地良い状態であるならばそれに従っているのです。しかし少しずつ成長するにしたがって色々考えられるようになり自我が芽生えてくるとそうはいきません。しかし集団生活の中ではともすると指示に従うことが優先されがちになり、それに反すると集団の中では「困った子」となってしまうようです。

「主体性」とは「自分で考えて判断して行動する」ことです。まさにS君は集いの中で、集いに参加することよりも、職員と同じように写真を撮りたかったのです。後日このことをご家族にお話しすると家庭でも「最近は撮られるよりも、撮ることの方がいいようでなかなかS君の写真が撮れない」とのことでした。

私は、始めはS君の行動を「他の子が集いに参加しているのに、S君もいっしょに参加しよう」との思いから彼の動きを止めようとしたのです。浅はかでした。

S君は一歳児ですからどこまで考えて判断したのかはわかりませんが、彼は集いに参加するよりも今までの経験からカメラマンになることを選択し行動したのです。

周りに縛られない子どもの世界は、すばらしい!です。そうしてその中で経験をし、学んでいるのです。S君の満足した返事から、私はその世界を覗いたように感じ、ほっこり、温かい気持ちになり、心が癒されました。

最近の教育はやっとそうした「自主性」「主体性」」を育てる教育になってきたように思います。

例えば大学受験でも記憶力がよく、知識がより多くあり、入試問題でも一点でも多くとった方(認知能力)が合格とされることよりも、かなり柔軟な「自主性や主体性」(非認知能力)を重視する選抜方法が取り入れられているようです。

子どもの世界を大切にしたいですね。「自主性、主体性」(非認知能力)を育てましょう。

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