2025年10月
「排泄の自立は」
まな保育園は布おむつを使っています。
『何もなくても豊かな島』崎山克彦著の本を読んでフィリピンセブ島沖にありますカオハガン島(約東京ドームの広さ)のことを知りました。
著者の崎山氏がそれまで出版社の仕事を昼夜の別なく毎日忙しく働いていることに疑問を持ち始めている時にカオハガン島が売りに出されたことを知り、崎山氏は仕事を辞めて島を購入し、そこで住む人々と一緒に生活して書かれた著書でした。20万部を超えたベストセラーにもなりました。
私は本を読んでどんな島か興味もあり行ってきました。今から約10年余前です。
本当に何もありませんでした(笑)ホテルらしきもの?は高床式でただ寝泊りするだけの建物が数か所あり、一つだけトイレ、バス付の建物があり、(私は高床式の建物に宿泊する勇気はなく)そこに宿泊することになりました。
「鍵をかけなくても大丈夫ですがもし心配ならば貴重品は預かります」との案内人の言葉を信頼し、貴重品は預けることなく鍵かけないで4日間何事もなくそこで過ごしました。
生活用水のシャワー、洗濯、トイレなどは雨水をためて利用していましたから、シャワーは温水ではなくほとんど水、電気も夜は発電機でした。陽が沈んだら街灯が数か所、発電機で灯るだけで夜はどこも真っ暗でした。
そこでの一日目の朝を迎え、外を散歩していると、父親と思われる人が2~3歳くらいの子どもを前向きに抱き、子どもは海に向かって見事な弧を描いて排尿していたのです。目覚めてすぐですから、子どももきっとその排尿は気持ちがよかったのかも知れません(笑)
排泄の自立は、この島の子どもたちは何も気にすることなく、当たり前のように自立しているようでした。歩き始めたころからは、基本おむつやパンツをすることなく、自由にどこでも排泄のようでした。
それを見たときは“目が点!”になりました(笑)。当然、排泄物はそのままにすることなく家族が処理していたようですが、子どもにとっては当たり前のことです。
気持ちよく排泄することでここでは子どもたちは自然に排泄の自立がなされていたのです。
そうは言っても日本ではカオハガン島の子どもたちのようにはいくはずがありません。
しかし、いつまでもおむつや紙パンツの中では、子どもにとっては気持ちよく排泄することを知らないままです。
便器に座って気持ちよく排泄することを知った子どもたちは、自立もあっという間です。
幸に、保育園では便器に座っているお友だちを小さい子たちも自然にみています。保育士がおむつを外し便器に座ることを促すと、嫌がらずに座ることができます。(もちろん嫌がる子は決して無理をさせません)排泄がされなくてもただ座るだけでいいのです。それを何回か繰り返すうちにタイミングが合えば排泄できます。(特に寝起きや排泄する頃が生活の中で分かりますから)便器に座って排泄ができたらそばにいる保育士みんなで喜び、「おしっこでたね。気持ちよかったね」と褒めています。
そして気持ちよく排泄できたことを覚えた子は、後は繰り返すだけで自ら「おしっこでる」と自己申告してくれるようになるのです。保育園では1歳児も「ウンチ出る」と教え、便器で排便している子もいます。
排泄の自立は子ども自身が「便器でする方が気持ちよい!」と感じたらその時が自立の始まりです。
紙おむつ、紙パンツは、布おむつに比べ気持ち悪さは感じない(感じない様にできている?)
から自立も遅くなるのかな?とも思います。
