2025年06月
「逞しく、自分らしく(新しい環境に)慣れてほしい」
園長
まな保育園の前年度の2歳児9名は4月からは、7ヶ園の保育園、幼稚園、こども園にそれぞれ転園しました。
新しい環境の中で毎年「〇〇ちゃんは新しい園ではどうしているかな?」「先生たちは△△ちゃんの対応に困っていないかなあ?」など、送り出した園としては子どもたちのことが気になり、各園の慣らし保育が終わって少し落ち着いた頃にそれぞれの園を訪問することにしています。
訪問するとAちゃんは私をそばで見つけたのですが、私がそれに気づかず通り過ぎようとすると何となく私との距離を置きながらこちらをちらちらとみている視線に私が気づき「あっ!Aちゃんだね。元気にしている?」と声をかけると嬉しそうにニコニコしながら頷きました。Aちゃんは私が誰だかすぐわかり一緒に転園したお友だちを呼んできました。
Bちゃんは私が訪問すると外で水遊びをしていました。私がそばに行くと本人より周りの子どもたちが「Bちゃんのおばあちゃん?」と聞いてくるので私は「ブッブー。違いま~す」と答えると他の子が「じゃあ、誰のおばあちゃん?」と聞いてくるので「Bちゃんに聞いてごらん、Bちゃんならわかると思うよ。Bちゃん、私は誰かな?」で聞きながら待つこと・・・・そして「知らない」。えっ、えっ!・・・(それはないでしょう。笑)
Cちゃんは午後のおやつを食べる時でした。私をすぐ見つけて「えんちょうせんせい!」と言ってそばにやって来ておやつどころではありません。私が「おやつ食べてね。私はここにいるからね」と言ってもソワソワして落ち着きません。同じ園に転園したもう一人のDちゃんは、私より早く私を見つけると担任の背中に隠れてしまいました。私が「Dちゃん」と声をかけると増々顔を隠して私を見ようとしません。担任が「Dちゃんが前にいた保育園の園長先生だよ。お顔見せてよ」と言えば言うほど担任の背中に隠れてしまいます。仕方がないのでおやつを食べているCちゃんのそばに行き、様子を見ていたら担任が私のところに来て「Dちゃん、“はずかしい”んだって」と私にDちゃんの気持ちを伝えてくれました。(そうなのか、突然でびっくりしたのもあったのでしょうね。)
Eちゃんは訪問した時は外で泥んこ遊びをしていました。私がそばに行き「Eちゃん」と声をかけると“この人誰?”と言う無表情と思えるくらいで私はちょっとびっくりしました。
しかし私が帰るとわかったら「一緒に保育園にいくー!」と言い出し、涙がぽろぽろ。これには私もびっくりです。
(分かっているけれど、私に会ったらそんな気持ちになったんだね) 本当に子どもたちの反応は様々でした。
当然ながら、子どもたちの成長発達も個々に違い、新しい園の環境も違うのです。誰もが同じ反応をするはずがありません。
考えてみれば、生まれてまだ3年余りしかたっていない子どもたちにとって、やむを得ずではあるものの転園という環境の変化はやはり負担だろうな、と思う反面、転園までの保育園で過ごす環境の大切さを改めて感じました。私たちと過ごす時間の中で子どもたちは多くのものを学び、成長しています。その学び、成長がまた新たな環境にも順応できる(逞しい)力はどの子にも与えられているのだということを感じました。
転園先の園の環境は皆違います。どんな環境に置かれても(逞しく)生きていく力で、自分らしさを失うことなく
どの子も成長してほしいなあと思う今回の訪問でした。
